境内にある主な村指定文化財をご紹介いたします。
(以下文章は平成24年3月に美浦村教育委員会で設置した普賢院案内板より抜粋)
阿弥陀如来 |
≪彫刻 立像1躯 像高35センチメートル≫
阿弥陀如来は、浄土思想の中心をなす西方極楽浄土に住する仏で、日本には7世紀の初めに伝えられました。
阿弥陀信仰は、念仏を唱えることにより極楽浄土に住生することができると説き、平安末期から急速に広まりました。
本像は、寺伝に「元享元年7月29日相馬孫次郎行胤が本尊佛として納む」と記録され、また信太小太郎の守佛とも伝えられています。
不動明王 |
≪彫刻 立像1躯 像高64センチメートル≫
不動明王は、五大明王の中心的存在であり大日如来の使者となり、悪を断じ善を修し真言行者を守護する役目を持っております。
当院の不動明王は、寄木造りで岩上に立ち、光背に迦楼羅炎(かるらえん)、満身に力を充実し、腰をひねった忿怒相の立像です。額にしわを寄せ、目には玉眼が入り、右目を開け、左目を細め、牙は右下の歯で上唇を噛み、左上の歯で下唇を抑え、衆生を悟りの世界に進ませ、悪魔を恐れさせる姿をあらわしています。
右手の件は衆生の煩悩(迷い)を断ち切るためのもので、左手には羅索を持っていると思われます。
板碑(青塔婆) |
≪工芸品1基 62.2センチメートル≫
板碑はほぼ中世に限りみられる供養のために建立した塔婆の一種で、関東では板状の緑泥片岩がよく用いられていました。
当院の板碑は、阿弥陀如来を表す梵字(種字)が見られるとともに、鎌倉末期の「元享2年(1322年)」の銘が刻まれ、創建の古さを物語る歴史的価値、仏教的価値の高い碑であります。
その他、境内には「子育水子地蔵尊立像」、「根本伝教大師尊像」などが祀られております。
近くに日本中央競馬会美浦トレーニングセンターがあることから、馬頭観音の供養も行っております。
文字通り、馬頭をいただく観音様です。
インドのビシュヌ神の化身が仏教に取り入れられたものと言われています。その激しい性格から馬頭明王としても経典に説かれるほどで、観音様には珍しく忿怒のお顔です。
本来は転輪聖王の宝馬が世界を縦横無尽に駆け巡るように、一切の魔障を墔破して大悲の本願を果たす威力のある観音様です。
信仰の対象としては六観音を六道に配して、この観音様が畜生道の苦しみを救う観音であるところから路傍にまで見られるほどに一般化したものです。三面六臂で馬頭を頂上にして正面冠のところに化仏を表した忿怒相をしており、左右の第一手で合掌、左第二、第三、第四手に輪宝・宝棒・結印相、右第二・第三・第四手に斧・剣・数珠を持つお姿です。
当院に安置する石造の馬頭観音様は、もともと農耕馬の埋葬地に祀られていたものですが、JRA美浦トレーニングセンターの進出により、当院に遷座されたものです。なお、JRAではこの馬頭観音様のレプリカを競馬博物館に収めたそうです。